2008年9月11日 (木)

「ゴールデンスランバー」, 伊坂幸太郎, 新潮社

 新刊って、なかなか買いづらいですね。高いし、しかも大きくてバッグに入れるのも大変だし。だから文庫になるまで待っちゃうんだけど、それって「この映画、劇場で観るんじゃなくて、DVDになるまで待ってよう」って感覚にちょっと近い気がします。。

でもねぇ、これは文庫化するのを待たずに読んだ方がいいっすよ。現段階で、今年度のNo.1はこの1冊です。絶対、買って損はないお話かな

 突然、首相暗殺の濡れ衣を着せられた主人公。いったい、どうやって逃げるのか、そもそも逃げ切れるのか...
 伊坂さんの得意技、「過去と現在を行ったり来たり」って手法が、今回も炸裂してます。そして、ちょっとした登場人物やセリフに伏線が張られていて、物語の途中でハッとさせられたり。
 愛すべきキャラクターも、何人も登場します。僕は今回、主人公・青柳のお父さんにグッときてしまいました。

 まちがいなく、途中で飽きることなく、ラストまでぐいぐいと引っ張られていくこと請け合いです。いやいや、ホントにオススメ

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2008年8月24日 (日)

「砂漠」, 伊坂幸太郎, 実業之日本社

 伊坂幸太郎、今ノリノリで、ことごとくハズレのない作家さんです。 いやぁ、何でこんなに面白いんだろ。この本も、ほぼ一気読みしましたよ。

 舞台はいつも通りの仙台。で、テーマ自体はストレートな青春小説なんだけど、そこは「伊坂モード」が満載の内容になっています。主人公(というより「僕」という語り部)、北村と仲間達が、大学に入学してから卒業までの駅事が、四季ごとに語られています。

 しかしホント、伊坂さんの描くキャラクターって、面白いですよね。最後、"幹事役の完爾"くんのセリフにもあるけれど、こんな仲間で過ごす大学生活って、絶対面白い4年間になると思えます。ま、図抜けたキャラは"西嶋"なんですけど、僕は"東堂"がの振る舞いっぷりが大好きです。

 楽しい事ばかりが起こる話じゃないけれど、ポジティブな雰囲気が溢れてます。読んで損はない1冊。オススメです。

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2008年3月16日 (日)

「Sugarless GiRL」,「FRUITS CLiPPER」, capsule

 最近、僕の周りでは"perfume"が話題です。スゴく大きな括りをすれば「アイドル」ですね。だがしかし、生活のBGM・「J-WAVE」を聴けば、木村カエラさんがパワープッシュしてくるし、ほぼ唯一の情報源・「王様のブランチ」でも特集されている具合だ。気になる、スゲぇ気になる。でも、ちょっと"あまのじゃく"気味の性格と、「もうオジさんだぜ、俺」のプライドがジャマをするので、CDは買わない。うん、絶対買わない。そう、たぶん買わないと思う。あぁ、買わないんじゃないかな...

 で、代わりと言っちゃ何だが、気になったのがこちら。perfumeのサウンドプロデュースをしている中田ヤスタカのグループ、capsule。J-WAVE好みのグループだし、渋谷や原宿ではほぼ「御用達」のグループで、耳にしたことはあったんですが。
 で、いいっすよ、このCD。ちょっと中毒性がある感じで、かなりハマります。もともと、i-depやFREETEMPOみたいな、「ちょいボコ」(ちょっとボコーダを使う)の曲にはヤラれてしまう僕ですが、このグループにも「ほら、見たことか」ってな具合で、あっけなく落とされました。

 「FRUITS CLiPPER」のタイトル曲と、"jelly"は必聴です。損はしない、まぁ買って聴きなさい。

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2007年12月21日 (金)

「かもめ食堂」

 ちょっと、「ゆるーい」雰囲気の作品が観たいな、と思ってDVDを借りたら、思わぬスマッシュヒットでした。

 北欧、フィンランドでぽつんと開かれたカフェで起こる、ちょっとだけ「おかしな」人達によるお話。こういう、何でもなさそうだけど、ふとした刺激がある空気、かなり好きですね。この手の映画はたまに、ラストで何が言いたかったのか分からなくなることがあるけど、この作品は観終わってもすごく満足できましたよ。
 主役の小林聡美の飄々とした雰囲気も、脇を固める片桐はいりや、もたいまさこ達の「ちょっと跳んじゃってるっぷり」も、スンごくいい味だしてます。

 「やりたくないことは、やらないだけです」「毎日まじめにやっていれば、きっとわかってもらえます」
ってセリフが途中で出てくるんですけど、そうだよなぁ、そんな風に生きればいいんだよなぁ...と思っちゃいました。

 今僕の中で、宝くじが当たったら一番やりたい事は「カフェを開く」なんですね。で同時に、今一番行ってみたい場所が北欧だったりするんですよ。
 そんな意味では、映画の中の人達の振る舞いも含めて、むちゃむちゃ羨ましくなる映画でした。

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2007年10月29日 (月)

「メリーゴーラウンド」, 荻原 浩, 新潮文庫

 荻原さんの本、最初は"姉's recommend"で「誘拐ラプソディー」を読んで面白いなと思ったんですね。ちょっと笑わせて、ちょっと泣かせて...って雰囲気、好きなんです。でも、最近「噂」とか「コールドゲーム」などを読んで、ちょいホラー路線が続いて、何か違ってきたかなぁと感じてた時のこの1冊。

 仕事に忙殺されていた民間企業を辞めて市役所にUターン就職した主人公が、地元の超赤字テーマパークを再生させようとアレやコレやと頑張るお話。周りに翻弄されながらも計画は成功していくんですが...
 最後は決してハッピーエンドではないんだけど、ホッとさせる終わり方かもしれないなと思いました。「神様からひと言」にも読んだ雰囲気は似てるかな。

仕事でちょっとお疲れの人、最近元気が欲しい人、読んでみなされ。

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2007年8月 6日 (月)

「チルドレン」, 伊坂幸太郎, 講談社文庫

 この前に、「重力ピエロ」も「ラッシュライフ」も読んでいるんだけど、それより先にご紹介。だって、むちゃむちゃ良かったから。姉に先に紹介されたのが、ちょっと悔しいくらい。各章ごとに時間やメインの登場人物が変わるのは、伊坂さんの得意技だけど、これもその技が炸裂した短編集。でも、長編っていった方が良いかもしれないね。

 メインのキャラクターは陣内。最初の「バンク」では、ちょっとヤな奴と思っていたんですけど。最後は愛すべき奴だと思えるようになりました。
 はたして、純粋なのか計算しているのか、ワガママなのか思いやりがあるのか...こんな仲間が近くにいたら、きっと毎日楽しいんだろうな、ただし、スゴく疲れるだろうけど...

 一番のお気に入りは「チルドレンII」。「居酒屋「天々」で、陣内の隣のテーブルで飲んでみたいし、彼のライブを観に行きたいっつうの」って感じです。

 何だか面白くてホッとする、オススメの1冊です。読んでみなされ。

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2007年2月26日 (月)

「風が強く吹いている」, 三浦しをん, 新潮社

 昨年末に読んだんですが、満を持してご紹介。

 1,890円、でも絶対に値段以上の満足が得られる1冊。恐らく、今までで一番面白かったと思えた本だし、初めて読んでいて涙が出た本でもあります。
 必読です。みんな、読みなさい。
 未経験者を含んだ10人で、学生駅伝「箱根駅伝」を目指す。現実的には無茶な設定。しかし、それをカバーして有り余る登場人物の魅力と話の展開に圧倒されました。
 主人公は、それぞれの事情で走る世界から、ちょっと距離を置かされてしまったハイジと走(かける)。そのワキを、個性的なメンバーが固めます。おんぼろ荘に住む彼らが、ハイジの半ば詐欺的な思惑で走り出していきます。
 セリフもそれぞれ、コミカルだったり熱かったり。ハイジの、(途中、何度か出てくるセリフだが、物語中盤以降で出てくる)「君たちに頂点をみせてやる」には、ちょっと震えが起きました。

 かなり取材もされたんじゃないかな。個人的に走る世界や競技者とも身近な場所にいる分、こうした非現実的な設定にはガッカリさせられがちなのだろうが、ランナーの心理などもリアリティがアリアリで、むしろ頭の中でイメージが膨らみまくりました。 
 きっとドラマ化する話もでるように思うんだが、個人的にはそうなって欲しくはないかな。競技の種類(もちろん仕事の種類もあてはまるんだろう)に関わらず、ちょっとだけの準備で臨んだ役者さんの演技では、きっとそのイメージを裏切られてしまうと思うから。

 最後にもう一度。
 必読です。みんな、読みなさい。

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